長門峡トレッキング 2015.11.02

ちょうもんきょう・山口県萩市・山口市阿東



長門峡(ちょうもんきょう)は、阿武川上流、山口県山口市阿東及び萩市川上に位置する峡谷である。全長12キロメートル。奇岩や滝、深淵など変化を織りなす奇勝として知られ、国の名勝や長門峡県立自然公園にも指定されている。

丹沢山
長門峡入口

歩行距離 11.2km
所要時間 3時間30分
累積標高差 (+) 240m  (-) 240m
コース 駐車場 12:30 → 紅葉橋12:50 → 鈴ヶ茶屋13:30 → 東屋14:10 → 中原中也詩碑14:30 → 東屋14:50 → 鈴ヶ茶屋15:15 → 紅葉橋15:45 → 駐車場 16:00


長門峡は、山口市阿東と萩(合併する以前は川上村)の名勝である。今までに何度となく家族や友人と訪れることがある。しかし全行程を通して歩いたことはなく、いつも萩側の入口から300mほど歩いて引き返し、帰りに入口の食堂でアユ定食を食べるのくらいのものであった。今回は秋の紅葉時期に休暇が重なり、紅葉を見に初めて萩側の入口から山口市阿東までの往復を歩いてみることにする。

案内板によれば長門峡の遊歩道(総延長約10km、幅1m)は、長州藩(萩市江向)出身で明治政府の農商務省の役人になり、後画家手に転身した高島北海(1850〜1931)という人が長門峡の風景を描き、その絵を売った資金1760余円で造ったという。

これまで漠然と長門峡の景色を見ていただけだが、今回はすこしじっくり見てみよう。駐車場から萩側の入口である竜宮淵を見る。穏やかな水面は川の深さを感じさせ、本当に底に竜宮があるのではないかと思わせる。12:30内閣総理大臣・安倍晋三氏により書かれ石碑を左に見て長門峡に入っていく。食堂を通り過ぎ雪舟滝のところで迫力のある第一断魚瀑を見る。大きな音をたてて流れる様は、上流の山々から流れてくる水量の豊富さを感じさせる。回廊のような遊歩道を進み北海洞門をくぐると生雲渓谷遊歩道につながる赤い「もみじ橋」がある。川の両側の紅葉が始まり美しい。下和留瀬、上和留瀬を通過し佳景淵(かけいぶち)までくる。流れが穏やかで両側の紅葉が川面に映りきれいだ。高島洞門をくぐり、前方の景色が開けてくる。川の湾曲部を過ぎると河原の沿いの道は広くなり、前方に鈴ヶ茶屋が見えてくる。ここが萩市と山口市の境界になる。茶屋で休んで一杯飲んでアユでも食べたい気分になるが、まだ長い距離を歩くので次の機会にしよう・・・。鈴ヶ茶屋付近から見る上流方向は、獺淵(かわうそぶち)と呼ばれる。真っ赤なモミジがポイントになり周辺の紅葉がとても美しい。

高低差のある回廊を越えて行き、広々とした池のような大谷淵に達する。道沿いに直径30cmもある杉とヒノキが並んで生えている。よく見ないと見分けがつかず同じ種類の木のように見える。やがて樹林の中に入る。舟入付近までくると流れが淀み、水深が深そうだ。遊歩道にせり出した大きな岩をくぐる。森はすこしづつ深く なる。榧ヶ淵(かやがふち)という大きな岩がせり出た淵のカーブに達する。力強くこの長門峡の中でも印象的な風景の一つだ。東屋のある千瀑洞口・桜橋付近達する。河原に降りてみる。周囲は狭い渓谷のようになっている。目の前には大きな岩の断崖が見える。

馬の背・碁石岩付近を過ぎると平坦なアスファルトの遊歩道に変わり多くの観光客とすれ違うようになる。14:30中原中也詩碑のある場所に達する。もう少し先に行けば道の駅があるが、ここでユータンして往路を引き返す。帰りも美し風景を見ながら快調に歩き16:00出発点の駐車場まで戻ってく。帰り道、車を停め切籠切窓、重塀岩を写真に収める。

長門峡を歩いてみて、美しい風景を眺めながら起伏の少ない道を歩くトレッキンの魅力に気が付いた気がする。今度、萩から防府まで萩往還でも歩いてみようか・・・思いを巡らす・・・。





長門峡入口の駐車場にある詳細な案内板


竜宮淵
水面は穏やかに流れ、木々を映して静かに落ち着いた表情を見せるところ。水底に竜宮があるとの言い伝えから付いた名前。

長門峡遊歩道入口



雪舟滝 (竜宮淵より約0.08km)
その昔、画聖「雪舟」が長門峡を訪れ、画筆をとったとの
伝説にちなんで付いた名前。

第二断魚瀑 (竜宮淵より約0.15km)
岸の間を水が猛烈な勢いで落ちていく。ここから上には魚も逆上っていかえないほどといわれているぐらいの急流地帯。

白糸の滝 (竜宮淵より約0.32km)

北海洞門 (竜宮淵より約0.55km)


紅葉橋 (竜宮淵より約0.6km)

紅葉橋付近


下和留(しもわるせ)瀬(竜宮淵より約1.1km)

上和留瀬付近

佳景淵(掛の淵・かけいぶち)(竜宮淵より約1.5km)
川上の昔話で河童がクモに化けて糸を足にかけて引きずり込んだところといういい伝えがあるところ。

佳景淵付近

佳景淵付近


佳景淵付近

佳景淵付近

佳景淵付近-コンクリート製の回廊を行く。

高島洞門 (竜宮淵より約1.7km)
長門峡探勝道路の基礎づくりに多大な貢献をした南宋画家で、
地質学者の高島北海の名を刻んだトンネル。

広滑(ひろのめり)(竜宮淵より約1.6km)

坊主岩付近





坊主岩付近・鈴ヶ茶屋が見えてくる。


鈴ヶ茶屋 (竜宮淵より約2.1km)
流れの上に張り出して桟橋が設けられていて、涼しい風を受けながら
食事ができる。この鈴ヶ茶屋より上流が山口市阿東、下流が萩市。



獺淵付近 - スギとヒノキが並んでいる。見分けるのが難しい。


獺淵(かわうそぶち) (竜宮淵より約2.3km)
川上の昔話しで化け物の大カワウソが猟師に退治されたという言い伝えのある場所。水面に映る景色がとても美しい。

大谷淵(竜宮淵より約2.45km)
流れのほとんどない所であまり岸からせり出していないので広々として風景が良く映り込んでいる。


大谷淵付近

遊歩道に岩がせり出し危ない。頭上注意!!

船入(ふないり)(竜宮淵より約3.15km)
このあたりの流れはほとんど淀んでいるかのように
ゆるやかな流れ。船溜りになりそうだ。

舟入



舟入付近


榧ヶ淵(かやがふち)(竜宮淵より約3.55km)
対岸から川につき出した大きく角ばっつた特長のある形の岩が淵にカーブを描かせている。
高低差のある場所なので急流と流れのゆるやかな淵の両方の風景が楽しめる。

榧ヶ淵付近

千瀑洞口

千瀑洞口(せんばくどうぐち)(竜宮淵より約3.95km)
遊歩道の対岸には絶壁がそそり立ち、水しぶきをあげて流れる急流の風景はまるで、山水画を鑑賞しているよう。
山側に立つあずま屋がある。

千瀑洞口付近の絶壁

千瀑洞口付近

千瀑洞口付近

馬の瀬・碁石岩付近


遊歩道の出口はもうすぐ。


中原中也詩碑(竜宮淵より約5.55km)
みかんと杯を象った中原中也の「冬の長門峡」の詩碑。

中原中也詩碑のある阿東側の長門峡入口

長門峡入口の道標


帰り道にある切籠切窓を見る。

重塀岩も見る。




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